テニスボールによるマッサージの効用

このブログをはじめて4年近くになる。

全快するまで続けると言っていたが、左の可動域回復が遅くてずるずると続けていたわけだけれど、近頃、ついに回復した。

ほおっておけばいつのまにか治るというのは嘘でリハビリしなくてはなりませんよ、とこの春に釘を刺されたところで、またそれなりに細々と努力していたのだけれど、クラシックバレーのレッスンでチェックする限り、やはり左が完全でなかった。

で、バカンスに入り、バレエのレッスンもお休みで、リハビリのことも忘れていたのに、最近「いつの間にか治」っていた。

不思議だ。

「治る」時は、あっ今治った、というものではなく、必ず「いつの間にか」という印象が伴うのだろうか。

完全に治ったと確信したのは、最近youtubeでシルヴィア・ギエムの『ボレロ』を見ながら、上半身だけ一緒に動かして最初から最後までほぼ完全にコピーできたからだ。

いやあ、上半身、というか腕と手だけのコピーなのに、運動量が半端でなく、限られた場所なのに考え抜かれた振付だと改めて感心した。

脚については最初からコピーというかパロディをするつもりもなく、可動域は極端に狭いのは分かっている。

でも、腕と手、手首が、ギエムと同じ可動域って、すごく嬉しい。

ねじりもあって、あらゆる動きが入っているので、メンテナンスとしても素晴らしい。

脚の固さはともかく、私は4年前の「肩の事故」以前は、腕も指も平均より柔軟だった。

クラシック・ギターで左の4本の指で2弦から5弦のミのフレットを全部押さえることができて、両端の開放弦と合わせて6つのミを同時に弾くこともできる。私より手の大きいプロのギタリストでも届かない人は普通にいるので、ギタリストとしての資質やテクニックとは関係ないのだけれど、満足感はある。

それよりも気にかかっていたのは春以来、理由も思い当たらないのに左の親指が腱鞘炎気味、右もやや痛く、さらに原因不明で左の足首が階段を降りる角度(右を先に降ろして左が上の段に残った時)によって痛むという事態になったことだった。

幸い、今までの捻挫などの体験から、とにかくその角度を作らないようにひと月くらい用心していたら、これはいつの間にか、というより、だんだんとよくなった気がする。

「まだ痛いかどうか試してみる」ということをせずにかなり慎重にしていた。左足から一段ずつ降りる、とか、右が下につく時は左の足首を曲げないように足を上げて回しながら降ろす、など。
うちでは問題ないが、メトロの階段を降りるときなどは難しいので結構ハンディになったけれど。

で、右手はひどくなるとまずいので酷使しないようにし、左手は痛みがひどくなったので、冷やしたり消炎剤を塗ったりしていた。

ある友人から発泡性のアスピリンを毎日飲むといいと言われ、確かに、練習の一時間くらい前に飲んでおくとおさまった。

10月のコンサートが心配だったが、薬を飲むことで収まるなら、可動域がないという悪夢に比べればどうということはない。

けれどもある日、親指をついぶつけてしまったので、強めの消炎鎮痛剤を飲んで寝たら、胃薬を一緒に飲まなかったせいで胃をやられて、強い吐き気に次の日1日悩まされてしまった。

痛みよりも吐き気の方が生活上のハンディだ。

舞台に出る前に吐き気を覚えたことがこれまでに一度だけあったけれど、もしひどくなったら、舞台で吐かないで引っ込むことができるかという距離を測っていた記憶がある。

しかし親指の痛みはまずい。

トリオのパートではセーハをする部分は少ないのでまだましだけれど、他のポジション移動などでもけっこう親指にも負担がかかるということが分かる。

そんなこともあったので、生徒の来ない夏の間にやはりできるだけ親指を使わないで休めるしかないなと思っていた。

日常のちょっとした動作も、左手の親指をブロックすると不便なことがたくさんある。

包帯でブロックしたこともある。

もちろん薬局でも相談したし、医者にも聞いたし、ネット情報もあらためて渉猟したが、「腱鞘炎は長いですよー、半年や1年はみないとー」とあるばかり。

秋のコンサートはどうなる ?

チェリストの藤原真理さんが1年ぶりにパリにいらしたので腱鞘炎のことをきくと、彼女は高校時代に一度だけ経験し、その時学んだのは、いくら休めても楽器を弾くとまた痛くなる、だから「弾きながら治す」しかないということだそうで、なるほどだと思った。

その時に彼女が教えてくれたのが、テニスボールによるマッサージで、親指をどうやってマッサージするのかなと思ったら、全身マッサージだった。結局、親指に出てくる痛みといえども、外傷性でないなら全身の血液やリンパの循環の悪さの結果なのだ。

で、それ以来、ベッドのそば、ダイニング、書斎、ありとあらゆるところにボールを置いている。靴下に4つ入れて端を結ぶやり方がフランスのヨガ・サイトに載っていたのを試したが、これは転がらないし便利だ。

考えると、高い金を払って受けてきた整体やマッサージ、あるいはマッサージチェアや器具など、今までいろんなことをやってその都度「楽になった」という実感はあったけれど、ごく安価なテニスボールで、毎日自分の体重でマッサージできるなんて初めての経験だ。

寝る前に肩や腰や首や脇や背中、ふくらはぎなどを圧迫するとリラックスして寝つきがよくなった。

朝はラジオを聴きながらまたやると、今度はすっきり起きられる。

鬱向けに寝て大胸筋にも施す。

今までも、自分でほぐしなさいと言われたこともあるけれど、今は何しろ、親指を広げない、力を入れないというのが方針だから、セルフ指圧なんてあり得なかった。

テニスボールは簡単で気持ちがいいのでもう離せない。

座仕事の時にも背にあてて椅子の背に押しつけたり、お尻の下に置いたりする。ついでにお尻の下のボールの下、つまりボールと椅子の間に親指を閉じて左手を挟んで座る。

これがいい。

肘の内側にボールを挟んでギュッと腕を曲げる。

これも気持ちいい。

いやあ、ひょっとしたら、「いつの間にか」とは言ったけれど、ひょっとして、これを始めてから、左肩の可動域制限が外れたのかもしれない。

親指の痛みばかりに集中していたから肩のチェックはしていなかった。でも、部分でなく「全身のひと押し」というのが必要だったのかもしれない。

とにかくこの方法は、安価、手軽、自分で調整できる、毎日できる、というので誰にでも勧めたくなる。もちろんトリオの仲間には勧めた。飛行機の中にも絶対に持っていく。

ゴルフボールで足の裏コロコロというのは昔やっていたのだけれど、すぐに転がっていくので、けっこう不便でやらなくなっていた。足裏マッサージの機械は買って時々やっていた。また復活させよう。

しかしまだ、左の親指は完全ではない。要観察。

それにしても、今になって、トリオのメンバーは4年前の私をどんなに心配していたかを語り始めた。

確かに、ギターはもちろん、ほぼ何も持てないほど腕の筋力がなくなっていたのだから。

今から思えば、4年前の夏にあれほどいろいろやったのに結局左肩の拘縮に至ったのは悪夢のような出来事だった。

右肩の痛みや本棚から落とすようにして手に取った本も戻せず、テーブルナイフも重かったのも今となっては信じられない。

で、そのような悪夢を払拭するためにも、このブログは、10月の日本公演が終わるまで続けて、4年前との比較をしてから終わることにしたい。

健康ネタがあれば時々書いていきます。

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この記事へのコメント

じゃんぬ
2014年08月16日 21:58
テニスボールは、私もひざの痛みの軽減に使っています。整形外科のリハビリ療法士に聞いた治療法ですが、寝転がってひざの後ろにテニスボールをはさみ、膝を両手でかかえこみ、胸までひきつけます。気持ちいいです。さまざまな利用法があるのですね。ぜひ真似してみます。
sally
2014年08月16日 22:21
そうですね。私も、体操のクラスとか、バロックバレエの最初の床での準備運動の時にテニスボールを渡されて気持ちいいと感じたことはあったのですが、自分で買って四六時中使うという発想はありませんでした。

トリオの友人に紹介したのは以下の2つのリンクです。一つ目は日本語、2つ目はフランス語ですが、写真があるので一発で理解できます。藤原さんからは丁寧な解説を手書きでいただきました。「肩こり人生」に遅まきながら転機が来た感じです。自分で調整できるというのが何よりですよね。

http://tbmassage.nomaki.jp/buibetu.htm

http://www.yogamrita.com/blog/2011/10/01/auto-massage-du-dos-a-laide-de-balles-de-tennis/

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