佐村河内守さん騒動のその後

この前の記事で佐村河内守さんのことを話題にしたら、別人作ということが判明したときにすぐにコメントで教えてくださる方がいたのですぐにコメントを返した。

このブログとの関係で言うと、曲そのものは「?」であることはすぐ認識していたのでいいのだけれど、ショックだったのは、インタビュー記事で私の共感を特にそそった2点もひょっとして嘘であったことかもしれない。

その一つ目は、耳が完全に聞こえなくなったと気づいた朝にそれを確認しようとパニックの中でピアノまで歩いていってぶつかって転び、血だらけになったのも気づかぬままピアノまでたどりついたという話だった。

私は2012年に声が出なくなって少しずつ回復に向かったとき、毎朝真っ先にしたことはピアノの前に座って出る音域を確認することだった。

単に低い声なら少し出るというのではなく音域を正確に確定せずにはおれなかった。朝起きたときも夜寝る前も。

そのときの経験から、S氏が、聴覚の有無を確認するのに自動的にピアノに向かわずにはいられなかったと言うのにすごく共感をもったのだ。

もう一つはもちろんS氏の腱鞘炎である。手にぐるぐる巻いた白い包帯が痛々しくて、なんで聴覚の失調と腱鞘炎が関係あるのだろうとは少し思ったけれど、とにかく全身絶不調で、悲惨な状態なのだからそんなこともあるのだろう、気の毒に、と思った。演奏者にとって腱鞘炎の恐怖は大きいし、私も肩の痛みが手首や手指の痛みを誘発してたいへんだったから、共感した。

でも、これも、S氏がピアノは実は初心者程度しか弾けなかったということなので、10歳でピアニストのお母さんから「免許皆伝」と言われた天才ピアニストであると言う触れ込みだけれどピアノを弾いて見せることはないということの矛盾を糊塗するための腱鞘炎と包帯であったのだろう。

本当にすごく痛くても、無理して弾いたり、痛いふりをしているだけじゃないかと思われるのでは、などとさまざまなネガティヴな思いを抱えて肩関節炎や腱鞘炎を生きてきた私にとっては、共感した分損した気分だ。

腱鞘炎の部分の共感だけでもそうなのだから、S氏に希望を託した耳の不自由な人たちの「裏切られ感」はさぞや大きかったことだろう。

フランスでも結構話題になっていたので驚いた。

その後なんとなく気になってネットをサーフしていて、一番参考になったのはこのブログだった。

いろいろなことがあるもんだ。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

unknown
2014年02月12日 15:12
聾であることも嘘の可能性がある、との情報を知ってから、この件について報道されるだけで、いやな気分になるので、スルーしていました。NHKの特集番組で、薄暗い部屋にマリア像が飾ってあって、その映像にやはり違和感を覚えたことも思い出しました。何かわざとらしい演出のように思えたのです。でも、多くの人が感動している最中では、「嘘っぽい」と思うことが悪いような気にさせられるんですね。マスコミも含めて皆、感動ストーリを求めていて、盲目的になり、真実に目を向けなくなってしまうのですね。そういう小道具をつかって虚像を作り上げてきたわけで、嘘を重ね続けてくる間によくS氏は、心が折れなかったものだと、そのことに驚いています。本当にどれだけの人を傷つけたことでしょう。ところで、「一番参考になったブログ」とは、どういうブログですか?
sally
2014年02月12日 20:50
ええと、「一番参考になっのはこのブログだった」という文の「このブログ」というところが色がついて見えるはずで、そこをクリックしていただければリンクされます。念のためここにコピーしとけば、
http://yoshim.cocolog-nifty.com/tapio/2014/02/s-cf5e.html
です。

この件がフランスの新聞でも記事になったのでフランス人たちと少し話したのですが、「このようなある意味過剰な演出をエスカレートさせて結果を出したということはS氏はただ者ではない」と強調する人が複数いました。でもこういうとなんですが、新宗教とか新新宗教とかいわれるグループの教祖さまたちだって、私の目から見たら明らかにうそでしょ、としか思えない、あり得ないような伝説を堂々と自分の上に築き上げていて、でもそれに心服する人たちがいます。その教祖様たちは別に「心が折れる」とか良心の呵責に悩むということはないみたいですから、そういうタイプの人がいて、そういうタイプの人を必要としている人たちもいるということなんでしょうね。
「心が折れた」のは実作者の方みたいで、お気の毒です。
unknown
2014年02月15日 01:09
失礼いたしました!色の違いがはっきりわからず、てっきり何かのはずみでブログのアドレスが載らなかったのかと思いました。興味深いブログですね。

「教祖さま」ですか・・・そういわれると、納得します。
社会的反響を思ってのことか、実作者の勤める音楽大学が「厳正に対処する」、と表明したことに、その教師の教え子たちが「穏便な対応を求める」という嘆願運動のサイトをネット上で見かけました。教え子たちのその先生についてのコメントを見る限り、「とても熱意にあふれた誠実な先生で音楽に対しても深い愛情と真摯な姿勢で関わる人」と擁護の声ばかりが並んでいました。嘆願運動ですから、当たり前ですが。さまざまな反響が出ていますね。
高橋選手が一連の騒動にもかかわらず、昨夜ソチでショートの演技を落ち着いてこなすことができ、とりあえずフィギアスケートファンの家族は一安心でした。直接的にこの騒動に巻き込まれた人たちが大きなショックを引きずることなくできるだけ平常心を取り戻していくことを願います。

この記事へのトラックバック